空の音を聴く

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映画「破門」感想とおすすめポイント

本日28日、映画「破門 ふたりのヤクビョーガミ」が全国で公開されました。

おめでとうございます。

 

楽しみにしていたこの映画。

お休みだったので映画館で朝一番に観てきました。

 

と、いうことで、感想とおすすめポイントを、なるべくネタバレしないようにお届けしていきたいと思います。

ただ、観る前に余計な情報は入れたくないという方もいらっしゃるでしょうから、注意してくださいね。

極力避けるように書いていくつもりではおりますが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

「破門」そのものについて

 

映画のあらすじや登場人物については、公式サイトやSNS、主演の方々の番宣で知れ渡っているでしょうから、割愛させていただきます。

 

私は、原作は読まずに行きました。

今までは、割と原作本を読んでそれが好きだから行っていた映画が多くて。

今回の場合だと横山さんが出る映画だから、というキッカケでこの映画を知ったので、本は読むべきかな、とも思っていたのですが、今までの傾向からして、恐らく自分は原作と比較し続けながら見てしまうだろうから、まっさらな状態でいこうと思い、原作は読まず、予告や公式、番宣からのみ得た情報でこの映画をみにいきました。

結果、予告編で見て予想していた結末とは全く違ったものになっておりました。

「その先がまだあったの?」という状態で、また、元々大阪中心にマカオまで舞台が移るという話との情報でしたが、それもまたその先にあると分かり、それにも驚きました(笑)

なので、観ていて「おっ」と思うと思います。

 

私はとても好きだな、と思いました。

単純に面白かったなと思ったし、2時間のうちに「飽きたな」と思う瞬間が無かったなぁ、と。

会話がテンポが良くて飽きさせないし、展開だってスピーディーで、それがまた理に適っているというか・・・こじつけじゃないというか。なるべくしてなっていくような、納得できるような形になっていたかな?と思います。

惹き込まれてあっという間で、むしろ終わりに気づいた時に寂しく感じた。

そういう映画に出会えたのが嬉しい。

 

以下、ネタバレしないように気を付けながらおすすめポイントなどを紹介していきます。

 

 

 

 

おすすめポイント①愛すべきキャラクター

横山さん演じる二宮と、佐々木さん演じる桑原。

 

二宮に関しては、もう、正直情けない奴だと思います。たばこは吸うわ、酒は飲むわ、生活はグータラだわ・・・。

風呂を服のまま入って洗濯する奴でして、現実にいたら絶対嫌いだと思う(笑)

でも、憎めないのです。

私が見ていても、「絶対騙されるよ、そんなの騙されちゃだめだよ」って思ったり、「なんでそこでそうなる!?」って思うところが多々あったのですが、全て桑原がきつい言葉で代弁してくださるので、こちらとしても何だか笑えてくるし、むしろ愛着が湧いてしまうくらい・・・(笑)

後ろにいた小学高学年くらいの子が、二宮の一挙一動が面白かったらしく、くすくす笑っていました。小さい子にも、大人にも愛される憎めないキャラクターでした。

 

そして、桑原さんに関しては、無茶苦茶です(笑)

いわゆるドンパチするような武器だけでなく、お箸や机など、そんなものまで武器にするか?と言いたくなるくらい、激しく、とんでもなく暴れまくります。アクションシーンを見て驚きました。

でも桑原の場合、「怖い人」で終わらず、妙にユーモアたっぷりの話口調で、そこが何だか可愛らしくて。カラオケで熱唱するシーンなんか、もう劇場内で大笑い。(佐々木さんの熱唱具合に注目です。)

そして、びっくりするくらい真っすぐで。

この人が次、どう動くんだろう、どうしていくんだろうって、ずっと気になって仕方ないキャラクターでした。

 

また、その他のキャラクターも本当にみんな愛すべき人たちで・・・

 

特に、國村隼さん演じる桑原の頭である嶋田と、キムラ緑子さん演じる二宮のお母さん。

この二人は、本当に良かったなぁ・・・と。

 

國村さんは、一番最初に知ったのはたぶん「交渉人 真下正義」なんですが、その頃から変わっていないなぁ、と感じました。

國村さんの声で、表情で言われると本当に説得力があるし、自分の道に邁進している姿は、本当にぐっときます。

今回の極道の若頭の役も、懐の深い、男の中の男、というキャラクターで。すごく良かった。

 

キムラさんの、お母さんも、「いそう」なんですよね。

「お母さん」というかんじだった。温かくて、泣いてしまいそうなくらい優しくて。

出演時間自体は長くはないんですけれども、二宮と、お母さんと、嶋田ですき焼きを食べるシーンは、温かくて、良かったなぁ。

二宮と二人でごはんをたべるシーンも、何だか泣けてきそうになりました。

 

他にも、橋爪さん演じる二人を騙すプロデューサーの小清水とか、木下ほうかさん演じる敵対する組の組員とか。

強烈で、でも本当に面白い。

愛すべきキャラクターが、沢山出てくる映画だと思います。

 

 

 

おすすめポイント②思わずクスッと笑ってしまうような、テンポの良い会話

テンポの良い会話は、この映画のウリの一つだと思います。

本当に、2人の会話が、面白くて面白くて。

 

二宮さんは何とか桑原さんに太刀打ちしたくて、無理難題をふっかけられて、必死に応酬しているのですが、桑原さんの言葉の圧力が全部呑み込んでしまう。

桑原さんは物凄く高速でやいやい言い続けているわけじゃないんです。被せて物を言う時はあるんですけれども、一言の威圧感がとんでもない(笑)

二宮さんは何度も命の危機を感じていて、そのビビり具合に客席も「くすっ」と笑えて。

こんなにくすくす笑いが聞こえる映画を見たのは初めてかも。笑かせるシーンじゃないのに、妙に笑えてくるんです。

 

そしてコテコテの関西弁。

今時、そんな言葉使う!?とびっくりするくらいのコテコテ加減です。

でもそれが逆に、めちゃくちゃ味を出しています。

特に、極道の組同士がぶつかり合うところなんか、若干聞き取れないくらいの、とんでもなく濃厚な関西弁と汚い言葉が繰り広げられています。びっくりします。でも逆に笑えてきてしまって・・・(笑)

橋爪さん演じる、主人公たちを騙すプロデューサー・小清水のうさんくさい関西弁もほんとうにおもしろい(笑)

 

パンフレットを見ると、言葉に関してはとてもこだわって作られたようです。

そういった会話の応酬も、非常に巧みで、面白い映画でした。

 

 

 

おすすめポイント③そこに「生きている人」を描いている

ストーリーも、キャラクターも無茶苦茶なんです。

「ありえない」って思ってしまうし、横山さんもパンフレットでそのような旨を語られています。

でも、「ありえない」んだけれども、その人がそこに「生きている」んです。

桑原さんなんて特に、もうとんでもなくって、殴り合いどころか色々なものを使って大暴れしていて、「無茶苦茶や・・・」と閉口してしまうくらいのド迫力で、すごく「映画キャラクター」のようなかんじなんですけれども、でも、自分の選んだ道をひたすら「生きている」んです。

二宮もそう。

やってる事は最低ですけども、必死に生きている。

そういった泥臭い姿に、すごくリアリティがあって。

映画を見てて、何だか匂いがしてきたり、温度を感じたり・・・すぐそこに存在している、生きている人たちの人生の断片を切り取ったかのような感覚を覚えました。

 

人生なんて、綺麗ごとばかりじゃない。

みんな、生きていくことに日々、必死だと思う。

登場人物みんな、やっている事がめちゃくちゃな人達ばかりなんですけど・・・でも、自分の道に必死なんです。

そういう姿を描いた作品でもあるし、人が生きていくこと、自分の道を進もうとすること・・・そういった事も、この映画の伝えたいメッセージの一つなのかな、と感じました。

 

 

おすすめポイント④主題歌「なぐりガキBEAT」と映画のリンク

 あくまでも自分の解釈ですし、間違いも多々あると思うのですが・・・。

 

映画本編が終わり、エンドロールで「なぐりガキBEAT」を聞いていますと、あぁ、この歌は、二宮さんの気持ちが書かれた歌なのかな?と思ったのです。

くすぶっている自分を変えたくて、でもその日を生きるのに精いっぱいで変えれなくて、どうにかしてキッカケを探している二宮。

 どこまでも付いて来る うまく巻いてもまた湧いてくるハンパな俺 

夢も共倒れ 疫病神とブルース

ここなんか、ハンパな俺=二宮、疫病神=桑原さんでまさに映画そのままで、二人の切っても切れない、コンビになりたくないけどなってしまう反発しあう二人を表しているように思います。

そして、

 横から割り込むやつ  うまいとこだけ持っていくやつ

これはきっと、二宮が嫌いな、普段仕事相手としている人たちや、今回騙されてしまった小清水のことを言っていたりするのかな、と。 

あと、二宮らしいな、と思った箇所が、

  騒ぎ出す鼓動 胸が破裂しそう

踏み込もうとしているんですけども、躊躇って躊躇って・・・という彼の姿が見えてきます。

実際、本編最後に、彼が葛藤するシーンがありますが、それがまた長いんです(笑)

めちゃくちゃドキドキして、心臓バクバクなんだろうなというのが伝わってきて、まさに歌詞のままの心情になっているのだと思います。

勿論、今まで自分が仕事で片足突っ込んできた世界ではあるんですけども。

そこから踏出してみた世界で彼は「無様に咲いた泣きっ面」でカッコよくは決してない。

そこが人間らしくていい。情けないけど、でも、「新しい風」が吹いてきているんです。

一歩だけだけど、きっと大きな一歩。

 

怖気づいて隠してた度胸 ここで一つ見せてみろ

 

 

 

横山さんのパートで、二宮が踏み出せたことを証明しているかのような・・・

まぁその後で「胸が騒いで」しまっているんですけれども、でも、ここは横山さんのためのパートなのかな、と思ってしまいます。

 

映画とリンクした、主題歌らしい主題歌だな、と感じました。

だからエンドロールで流れてきて、納得出来て、こういう曲を主演映画に持ってきてもらえた横山さん、良かったなぁと感じました。

横山さん自身が、今までのお仕事から繋げた縁から出来上がったものだと思うんですが・・・でも良かったし、嬉しい。

 

でも二宮の歌でもあるんですけれども、これは、あと一歩踏み出そうとしている人への応援歌でもありますよね。

映画から離れて聞いてみても、また味があって面白いですね。

この曲、何度聞いても新しい発見があって、好きです。

 

 

 

 

 最後に、どうしても語らずにはいられない、この映画の横山さんについて。

私は、横山さんが誰かを演じている時の「瞳」が好きです。

どこか影があるというか・・・儚さがあるというか・・・

一番最初にそう思ったのは、たぶん「有閑倶楽部」だと思うんですけども、5話か6話か、横山さん演じる清史郎くんが、幼馴染の乃梨子ちゃんに名前を呼ばれて、「頑張りなさい!」って言われるシーンの、あの瞳。

当時の私は、ぐっときました(笑)一筋縄ではいかない、あの色々な思いが込められたような瞳。

久し振りに「ON」で横山さんを見て、やっぱり「瞳」に惹かれたんですよね。

まるで燃えているような、内に秘めている思いが見え隠れする東海林先輩の瞳に。

今回の二宮も、情けないし本当にこいつは・・・っていうかんじなんですけど、ずーっとくすぶっている何かがあるんです。

それが、表情から見え隠れするんです。

横山さんは、内に何かを秘めた、くすぶった何かを抱えている人がとても似合うような気がする。

それが爆発した時の、表現された時の彼の「瞳」は、ぐっと惹き込まれるな、と思います。

今回の映画でもそれが見れて、やっぱり横山さんの演技での目が、すきだなと再認識しました。

 

あとは、本編はもちろん、パンフレットを見ても伝わってきたんですが、周りの方も本当に彼を愛して大切に思ってくれているんだな・・・と。

Aスタジオを見た後だったので余計にそう思ったのかもしれない。

横山さんが愛されて、大切にされて・・・そういうのを感じれることは、ファンにとっても嬉しいし、幸せです。

横山さんの幸せを願ってやみません。

 

あとは単純に、だぼっとした服を着て、極道同士のぶつかり合いに目を見開いてびっくりして、焦ったり怒ったり・・・くるくる表情が変わる横山さんの姿に、可愛いなぁ、と思ってしまいました・・・(笑)

 

 

 

ここまで書いてきたんですけが、この映画をどう勧めるかと問われますと、「ちょー良かったよ!!」「めっちゃおもろい!!」と声を大にして言うかんじの映画ではないのかな、と思います。

それよりも、素直に「面白かった」というシンプルな感想で勧めたい。

上手く伝えられないのでもどかしいのですが・・・。

シンプルに伝えて、あとは、その目で、耳で確かめてもらいたい映画です。

そして、ずっと「この映画、いいよね」と言われていて欲しい。

10年後とか、時間が経っても、「この映画に出てくる人たちさ、不器用で無茶苦茶だけど、でもいいよね」なんて言われて欲しい。人の記憶に残る映画になって欲しい。

 

 

横山さんの思いが、キャスト・スタッフさんの思いが、色々な人に伝わりますように。

この映画が、ずっと愛されるものとなりますように。

願っています。